はじめに

 アルファ粒子崩壊理論、とか言う学説によるとしかるべきファクターが加わればコップの中の水はガラスを通りぬけてしまうという事が現実に起こりうるらしい。アルファ崩壊、と呼ばれるその現象によってガラスや水を構成する原子がまったく異なる元素へと変換するためだとか何とか。

 他方、物質という奴はなぜそこに存在するのかという話を突き詰めていくと、それは「素粒子原子核に強く結び付けられているから離れるはずがない」という何ともわかったようなわからないような理屈で存在するのである。「鉄は何でこんなに堅いのですか?」と聞いて「それは鉄の原子同士が強く結びついているからだよ」と答えられたような物だ。その強い結びつきがどのような理屈で起こっているのか私のような一般市民には(そして、もしかしたら専門家にも)わからない。