唐突に始める

 普通とはなんだろうか。
 仕事から帰り、とりあえず着ていたものをまとめて洗濯機の中にぶちこみ、小さいながらもトイレとは別にきちんと独立して設置されているバスルームでシャワーを浴び、洗濯が終わるまでの間に晩酌がわりのスポーツドリンクとジャンクフードを漁りつつ、ふと、そう思った。
 いつも思うことでもあり、そして意味の無いことでもある。答えなんて出そうとも思っていないし、大体に曖昧すぎる疑問には答えの出しようも無い。
 そんな取り留めの無いいつもどおりの時間に、ごく自然にラジオの電源を入れた。
 部屋の中に流れ始める一方通行のお喋りは、当然のことながら回答を与えてはくれないのであった。